アクアリウム工房 ブルーハーバー

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MARINE-TERRORIST NO.3


この記事は旧ブールーハーバーサイト内でご覧いただけた内容です。

デンバー・マイアミ・ニューヨーク・ロスアンゼルスの旅


キーウエストでのアメリカンバケーションを満喫した私は、炎の仕事モードに突入するように、キーズのマラソンに有るDynasty Marine Associates Incを訪問しました。
Dynastyは日本ではキャンディーバスレットのシッパーとして有名ですが、最近ではカリビアンフィッシュを地元で採集している数少ない会社であり、オーナーのフォレストさんとパートナーであるベンさんは、深海ダイビングの第一人者としても有名です。

キャンディーバスレット


彼らの深海で採集した魚は多くのReef Keeperのタンクで、可憐に舞う姿を良く見ます。
私は、この旅で彼らに有るリクエストをする為にミーテイングをしました。本当はDynastyと一緒にクイーンエンゼルを捕まえに行く予定だったのですが、ジュリアンのキーウエストレクチャーが長引いたおかげで潜りに行けなかったため、次回に必ずという約束をし、キーズのタイ人経営の日本料理店で久しぶりにテンプラ定食をご馳走に成りました。

スリーライン


ここで、マリンテロリストのNO3の掲載が遅れた理由についてですが、

サーバルゴビー


アクアリストにおいて、高嶺の花であるといわれるCaribbean Deep Water Fish。
それを自分のタンクに飼育してみたいと思う人は多い。でも価格がとても高価で、手がだせないというのが実情です。

バイカラーバスレット

ラフタンバス


しかしながら、少しでも安く供給出来れば、仕入れられるお店も増えて、購入出来るお客様も増えるのではないでしょうか?
BHは”金満ショップ”とか”殿様商売””地下に有るのに敷居が高い”など某掲示板に書かれているみたいです。しかし、、高いだけで中身が無ければ、ぼったくられたとおもうが、内容が伴っていたうえで高価なのは仕方が無い、とご理解いただける小売店や顧客の支持が有るがゆえに、その期待を裏切らない為にも日々努力を怠らないようにしないとおもうのです。

この業界においても、常に競争社会であり、レアな魚を求めているのは日本だけでなく、アメリカ、ヨーローパ、香港、アラブといった地域からBHにも買いたい、探してくれ、送ってくれ、或いは直接買いに来るという海外の業者や個人のお客さんもいます。 よく小売店舗の方から、ブラバンのチビとかレスプレンデンスが入りませんか?入ったら買います送って下さいと言われます。 BHに限らず、多くの小売店舗にも予約待ちのお客様がいるような魚達です。

バンデットバスレット


私は性格が悪いので、はいわかりました、入荷したら連絡しますね、と愛想良く無視する事が出来ません。その方には、我々はその様な種を集めるためにどれだけ多くの付録を買っているか、どれだけ沢山の競争の中で仕入れているか?貴方の言ってる事はフランス料理のコースを食べに行って予算が少ないからメインディッシュだけ食べさして欲しいと言ってるのと同じですよと伝えます。他の物は売れないから買えないとか、予約を貰っている魚だけ仕入れたいとか、都合よく言えたもんだとおもうのです。仕入れの努力、売るための挑戦を怠っていては、そのお店や担当者に明るい未来は無いと思います。

ブラントノーズとウオールアイバスレット


すこし横道にそれましたが、私はフォレストさんに私の顧客に設置した水槽にスパニッシュフラッグを入れたいと言われているので捕まえて欲しいといいました。私は顧客に、あとこの水槽にスパニッシュを泳がせたら完成すると言われているので、是非捕まえて欲しいとお願いしました。彼は、地元では獲れないのでキュラソーに行かなければ成らないというのでその機会を待つことにしました。

スパニッシュフラッグ


スパニッシュは80m以深に生息するハタの一種ですがこの数年入荷が途絶えていました。その理由は、数年前に潜水事故で死亡者が出たのでキュラソーのDEEP DIVEは中止していたからということです。しかし彼らはこの数年でDEEP DIVEのテクニックを確立し、専属のテクニカルトレーナーや器材の開発、潜水データーの収集による分析を徹底し安全性を高めていました。私は、彼に無事ミッションが成功したら日本の伝統的な食事に接待することを約束しました。

スパニッシュフラッグの泳ぐ水槽


レア種の価格については、偶然水深のイレギュラーや生息地外で獲れた物を除き、殆どは地域固有種で、僻地などで遠征費用が高いものや、DeepDiveで危険なものによるのです。ゆえに採取にかかるコストの削減は不可能です。
では下げられるコストとは何かと考えれば、運賃や通関及びマージンしか有りません。通関手数料や税金は輸入金額に比例しています。この場合レア種だけでコンパクトに荷物をまとめれば運賃は割安にはなり、コストは下がります。しかし売る方は納得しません。少しでも沢山他の物も買ってくれというのが普通でしょう。

アプリコット

後日、私は2005年12月に”キュラソー島ミッション2”の時に、はじめてアプリコットを捕まえたアリエンさんと会いました。


アプリコットを捕まえたアリエンさん

私は、レア種こそ最低限の利益で、日頃からお世話に成っている小売店や顧客に販売出来るように考えています。レア種というのはお店にとっては、野球に例えるならピンチヒッターみたいなものです。偶に出てヒットやホームランを打つので嬉しく思うというもので、それだけを当てにしていると読売ジャイアンツみたいな状態になってしまいます。普段はちゃんと守れてアベレージの残すレギュラー品が重要なのです。普段からコンスタントにお付き合いいただいている小売店様や、顧客の皆様に喜んでいただける価格で提供出来るようにと考えます。


空から見たキュラソー島

2004年キュラソーミッションは、Dynasty Inc.の日本の取引先数社にばらけてしまい、私の希望する小売価格では販売する事が難しく成りましたが、自分の顧客の皆様にはご納得いく価格で提供出来たと思います。しかし小売店様にはお売りすることは出来ませんでした。


ブンタの町並み

2005年キュラソーミッションではミッションのすべてのスポンサーとして、Curacao島に同行し、DeepDiveの綿密な計画及び安全性、装備及びサポート設備の重要性を再認識し、彼らの情熱とテクニックに感動しました。


オランダ軍の掃海艇を改造した司令室

ポイントから見たシーアクアリウム

残念ながら原油高と円安が重なり、思うような価格まで調整出来なかったのですが、クオリティコントロールは良く、


深海DIVE中の船

繊細な小型の深海の魚達を最善の方法で採集し、魚体に寄る減圧を3日4日かけて少しずつ浮上させ、最速の方法で日本に送る事で、輸送のストレス及び餌切による痩せも防止出来ました。


テクニカルインストラクターのラリー(右)と
看護士でディープダイブプランナーのビリー左

このように、魚を送る側と最善策を協議し、受け入れる我々も、最善の受入れ態勢を取りました。


リブリーザーの準備をするフォレスト

例えば、入荷時も通関は業者に依頼することで迅速に済ませますが、引き取りは輸送会社ではなく自社で行い開封を迅速に行います。大手の問屋では出荷業務が優先となるみたいで、出荷が終わるまで開封は行われないので、ブラジル便やカリブ、紅海など遠方から到着の魚などはコンディションが上がるのに数日要すると思います。


ビリーのDivePlan

こうして万全を期して送られたDeepWaterFishの入荷直後に食べさせる餌として孵化ブラインを強化したものや生きたコペポーダーやEcoSystemのフィルターに発生している微小甲殻類を入荷直後の魚に与えることで拒食を防ぎ、免疫力を回復させました。その様な受け入れ態勢はRCTブリーディングケントロピーゲ達も同じです。


タンクの点検

トライミックスボンベを充填するロナウド

そうしてコンディション良く保たれた魚達を顧客の水槽や小売店舗に無事に届ける事が出来て完了となります。

60歳で60m潜るダッチさん


これらのDeepWaterFishは以前は入荷しても高価ゆえに売れずに痩せこけて問屋で死んでいたりとか、お店で売れ残り良い個体を見つけるのは困難でした。それでも、その魚を欲しいと思うお客様がいるのならシッパーとコミニケーションを取り仕入れる立場でのベストをつくすことでお互いに認め合える友好な関係を築く事が重要です。


重装備の二人

2005年キュラソーミッションはまだ見ぬ魚、ゴールデンバスレットを水深120mで獲り損ない、またキュラソーに行く理由を残してしまいましたが、一部に蔓延る悪評を一掃する最高の結果と満足しています。現場に行かなきゃ解らない驚愕の数々と、40mを越す透明度に、陸から50m先の水深130mなど、あげれば限が有りません。

いよいよ出発


そして何より私を驚かせたのは2回の入荷で50000ドルを越す支払い金額とキュラソーのアシカ達でした。

スクーターで一気に140m


最近、レア種が以前より高くなったという声をマニアの方から聞きますが、日本市場以上にお金を出す一部の国や原油高や為替レートの影響にもよりますが、一部の業界大手の問屋の仕入れ担当者による影響が大きいと思います。私は、価格は市場が決めるので有り、企業の利益の後に決まるものでは無いと思います。自分達の利益を優先して価格が高くなると売れないから買えないとか、レア種だけ高くても買うからなど自分達が担当している間の自分の査定が上がればいいと考えている担当者及び企業倫理が、ホビーストの負担を重くしているし、一部の魚の価格を押し上げる結果に繋がっています。

ブレックファースト


BHは小売店と良く言われます。
事実、小売店舗としてスタートし、今も小売をしています。これには私がこの仕事をはじめて数年経過した時に、このまま問屋さんやメーカーの言うがままに経営していれば倒産してしまうと危機感を感じて、世界を駆け回り当時先端といわれたETSSスキマーや、KnopCaリアクターに出会い、The Reef Aquariumの著者チャールズデルビークやジュリアンスプラングに、ダニエルノップさん達に教えを請い、日本にまるで無かった商品なので輸入して販売し、その結果卸売りするようになったという経過が有ります。

現状でも現場至上主義は変わらず、自社の販売を通じてマーケッティングしニーズに沿うものを探しています。業界をリードする立場であるはずの企業の海水担当者が、昨日まで金魚担当や淡水魚で1年2年の担当期間中だけの、自分の成績しか考えずに仕入れして販売すればその負担は誰がかぶるのでしょうか?

ミッション終了ノパーティ

海水魚が普及したのは、システムが確立されクーラーや照明器具などの高価だった器具が安くなり、インターネットなどで簡単に飼育の情報が手に入るようになり、素人でも簡単にセッティング出来る様になり市場が大きくなってきたからだと思います。 そこには、企業がリードしてきたという実績は無く、ホビーストの連携による影響が大きいと思います。

我々は日本市場に於いて望まれる価格で販売出来る様に、シッパーに折衝し自己努力する事を心掛けるべきで、会社の規模でシッパーに圧力を掛け、自分達の利益を優先して価格を決める物ではないと思います。 BHでは顧客のニーズに応えられるような仕入れをする為の出張や投資に、これからも力を注ぎたいと思います。

ダッチさんの自宅でバーベキュー

つづく by koji